B-1.DXプロジェクトの起こし方

DXプロジェクトを立ち上げる際の流れとポイントについて考えてみます。

DXプロジェクトイメージ

プロジェクトの流れ

  1. ゴールの設定
    • ビジョンの策定:DXプロジェクトの成功を目指すなら、なぜプロジェクトを起こすのか、その背景に根差したクリアなビジョンが必要です。大上段に構える必要もなく、具体的に、例えば、働き方改革の一環で毎週金曜日をノー残業デーにしたいという事情があるが「月曜朝一番の会議資料(プリント)でどうしても残業してしまう」といったことなら、

      ①会議資料をオンラインツールで投影する。
      ②資料作成をシステム化する。

      などといったことが挙げられます。
    • 目標の設定:必ず具体的な数値目標を設定します。定性的な表現では目標達成を客観的に評価できませんので、「〇〇月までに紙の使用量を50%削減する」などといった具体的な数値で設定することが重要です。
  2. チーム編成
    • プロジェクトチームの編成:DXプロジェクトを推進するためのチームを編成します。必要なスキルを持つメンバーを社内横断的に選び、役割をアサインします。
    • 外部の専門家の活用:必要に応じて、DXコンサルタントや(導入システム該当カテゴリの)専門家のサポートを受けることを検討します。
  3. 現状分析
    • データ収集:現状の業務プロセスに関するデータを収集し、分析します。時間、コスト、人的リソースの使用状況を把握します。
    • 業務プロセスの見える化:現在の業務フローやツール、システムを詳細に評価し、ボトルネックや改善点を特定します。
  4. DX戦略の立案
    • 戦略の策定:現状分析に基づき、具体的なDX戦略を構築します。戦略には、技術(システム)の導入、プロセス改善などが含まれます。
    • スケジュールの作成:戦略を具体的に進めていく各段階のマイルストンとスケジュールを明確にします。
  5. 技術の選定と導入
    • 適切な技術の選定:業務プロセスに適した技術を選定します。例えば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、クラウドサービス、データ分析ツールなど。
    • 技術の導入:選定した技術を導入し、必要なインフラやソフトウェアの設定を行います。
  6. 組織文化の変革
    • 従業員の意識改革:DXは技術の導入だけでなく、組織文化の変革(痛み)を伴います。従業員に対してDXの意義を理解させ、積極的に参加させるための教育やトレーニングを計画します。
    • リーダーシップの発揮:プロジェクトのトップは経営層が最適で、リーダーシップ発揮とDX推進の旗振役となってもらいます。
  7. 実行とモニタリング
    • 計画の実行:立案した戦略とスケジュールに基づき、具体的なアクションに移行します。
    • モニタリング:目標設定に基づいてプロジェクトの進捗と目標達成状況を定期的にモニタリングします。進捗を確認しながら修正が必要であればプロジェクト全体で検討します。
  8. 継続的な改善
    • フィードバックの収集:従業員や関係者からのフィードバックを収集し、DXプロジェクトの改善点を見つけます。
    • 改善活動の実施:フィードバックを基に継続的な改善活動を実施し、DXの効果を最大化します。

重要なポイント

  • 明確なビジョンと目標:達成したい目標を明確にすることが最も重要です。
  • 従業員の巻込み:従業員全員がDXに参加し、自分たちの業務を改善する意識を持つことが成功の鍵です。
  • 適切な技術選定:業務プロセスに最適な技術を選定し、効果的に導入することが必要
  • 柔軟な戦略修正:モニタリングの結果を基に、必要があれば柔軟に戦略を修正していくことが求められます。

プロジェクトを起こす前の段階からコンサルタントに合流してもらえば全体の流れがよりスムーズになるかとは思います。以上、ご参考になれば幸いです。