A-1.DXのメリット『紙の削減』
電子化のメリットとして、紙の使用量削減効果が挙げられます。
実際に企業や団体が電子化(ペーパーレス化)を進めた際の効果について具体的な例を挙げていきます。

そもそも『電子化』とは何でしょうか。
このサイトでは、以下のような施策によって、従来「紙書類」や「電話・ファックス」でやりとりしていた情報や取引行為をデジタルツールに置き換えることを指します。電子化により、仕事の効率を上げたりコストの削減を実現することが可能になります。
- 紙でキャビネットや倉庫に保存していた書類をクラウドサービスへ保存
- 電子契約や電子請求のサービスにより郵送費などを削減
- オンライン会議システム等により、リモートワーク環境を推進
- CRM(顧客管理システム)を導入し、属人化していた顧客対応業務を平準化
- ワークフローシステムにより、承認決裁プロセスを自動化
以下、具体的に見ていきましょう。
大手製造業では:
- 年間紙使用量削減:電子化導入前に年間1,000万枚の紙を使用していたが、電子化導入後には使用量が約80%削減され、年間200万枚に減少
- コスト削減:用紙代、印刷費用、郵送料、保管コストが年間で約1億円削減できた。
金融機関の事例:
- 年間紙使用量削減:電子化により年間約500万枚の紙使用量が削減
- 環境負荷の低減:紙の生産および廃棄に伴うCO2排出量が年間で約200トン削減
IT企業の事例:
- 年間紙使用量削減:年間約200万枚の紙を削減し、約90%の書類がペーパーレス化
- 効率化効果:書類の検索、共有、承認プロセスの時間が平均で50%以上短縮
削減できるのは紙ばかりではありません。コピー用紙は安いから・・、とお考えになると思いますが、例えば契約書を電子化すると、印刷用紙の他にプリンタートナー、契約書を送る際のレターパック等送料、印紙を貼る契約書の場合は印紙税相当額、などが併せて削減できるので削減効果は大きいといえます。
参考:総務省 自治体DX推進参考事例集【第2.0版】 ※p.36奄美市の電子契約事例
https://www.soumu.go.jp/main_content/000944066.pdf
CO2削減
紙を使うのがエコではないということではなく、紙の使用量を減らすことで削減できるCO2について考えてみます。コピー用紙1トンを製造する際に排出されるCO2は約1.5tだそうです。
普通紙1トンの製造に必要な資源:
- 樹木:約20本
- 水:約85t
- エネルギー:約4,000 kWh
- CO2排出量:約1,500 kg
A4普通紙の重さは何グラムだと思いますか。答えは、「約4g」です。1tだと25万枚になります。従業員1,000人の企業が1人平均20枚/月のコピー用紙を使用した場合の年間使用量は24万枚となり、ほぼ1tの分量に相当します。A4の標準的な文書保存箱に換算すると60箱に相当します。保管スペース、保管コストもかかってきます。
電子化による紙の使用量削減は、コスト削減や業務効率化だけでなく、環境負荷の軽減にも大きく貢献します。電子化のメリットを理解し、いまから身の丈に合った紙の削減に取り組んでみたらいかがでしょうか。