電子契約はCLMの時代?

CLMとは『Contract Lifecycle Management』の略で、
契約関連業務をステップに分け、それぞれのステップで何をするか(しなければいけないか)を標準化することによって業務を効率化しようとするコンセプトのことです。

契約ライフサイクル

契約にはライフサイクルがあり、そのマネジメントが必要ということのようです。

いまCLMについて発信されていらっしゃるのは、リーガルテック・電子契約の分野の方々が多いように思います。詳しい記事等たくさんありますのでそちらをご参照いただくとして、少し別の観点から契約業務の電子化についてお話しします。

会社が大きくなればなるほど、契約書面の管理は『分散化』するのが常で、特に営業関連のものは事業場単位で保管されるケースが多いです。

戸建住宅建設販売を主体に広域展開されている不動産事業者様へのコンサルティングで事業拠点を訪問させていただいた際、やはり、販売プロジェクト(施主様)ごとに管理保存されているんですね。

本部側が集約するメリットはコンプラ的な部分ぐらい(効率とは別の要素)で、事業場単位での管理の方が当然ながら細かい対応が早くでき、お客様の満足度から考えると望ましいと思います。

ただし、『何を保存するのか(検索対象)』、『どのように保存するのか(検索キー項目)』については標準化した方が良さそうです。

現場で伺うと、販売が完了したプロジェクトの契約書を検索することはあまりなく、強いて挙げればクレーム対応関連、法令に照らして確認する必要が生じた場合などに限られるということでした。

頻度が低い反面、緊急性を要するので、検索スピードが求められます。また、保存されているべき書面が保存されていないとトラブルにもなりかねません。

本部が管理すべきはこの部分の品質なんですね。どの事業場でも同じ(高い)品質で対応がなされる、ということをもって会社のブランディングにも寄与できることになります。

こうしてみると、重要なのは契約締結業務ではなくて契約管理業務といって差し支えなく、そこを電子化するという意味でCLMを体現するサービスは今後ますます需要が高まるのではないでしょうか。